特許庁「特許料を値下げへ」(果たして知的財産戦略といえるか!?)
特許庁は2008年に特許権者が毎年支払う特許料を2―4割引き下げる方針を固めました。企業のロゴマークなどを保護する商標権も更新料の引き下げを検討するそうです。特許庁によりますと「今回の特許料や更新料の引き下げで、特許権や商標権を取得・維持しやすい環境を整え、技術革新のインフラを強化する」とのこと。
しかしながら、これが日本の知的財産戦略に貢献するといえるかどうかは疑問に思います。特許料を引き下げることによって確かに企業の費用負担は軽くなるものの、使用をしていない特許を安価に保有できることにもなり、いわゆる休眠特許がさらに増えることは必至でしょう。このような休眠特許の増加は新た技術開発や製品化の障害になっている場合も多く指摘されています。
そもそも、今回の特許料の引き下げによって得をするのは中小企業・ベンチャー企業よりも、むしろ大企業ではないでしょうか。現在の特許料は決して高くなく(当初3年間は数千円/年)、それを多少割引したところで、特許が少ない中小企業・ベンチャー企業には有益度は低く、大量に休眠特許を保有する大企業に有益度が非常に大きいからです。本当に優秀な技術を特許しやすくするためには、登録後にかかる特許料よりも、審査時にかかる審査請求料(平均20万円前後)を下げることが重要なように思います。
実際、多くの中小企業・ベンチャー企業は技術力があっても資金力が乏しいことから特許取得を断念又は選定せざる得ない状況も多いです。現在の名だたる大手企業も一昔前は町工場やベンチャーから始まっています。これから新たな技術を生み出す中小企業・ベンチャー企業を育てることも日本の知的財産戦略にとって重要ではないでしょうか。





