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中小企業の知財戦略(大企業よりも中小企業の方が特許の意義が大きい!?)

 今後、「中小企業の知財戦略」というタイトルで、企業の事業、特に、中小企業の事業の拡大・発展に貢献し得る特許出願・特許取得などの知財活動について複数回に分けて解説を行います。

 日本国特許庁が受け付けている特許出願の数は毎年32万件程度になります。この中の97%程度は企業によって行われています。このことは特許出願・特許取得が会社の事業にとって大きな意味を持っていることの表れでもあります。
 日本の企業の中で99.7%は中小企業※で、日本国内の産業活動、生産・販売活動などは中小企業の役割を抜きにして語ることができません。
 中小企業が出願人になっている特許出願は全体の出願件数の中の12%ですが、特許出願人の数で見た場合、特許出願人の中の57%は中小企業です。また、日本国特許庁が受け付けている特許出願の数は、全体では、年間40万件を越えていた2006年から漸減傾向にある中で、中小企業による特許出願の数は2011年以降増加傾向にあります。
 中小企業の数全体に対して特許出願を行っている中小企業の割合は全国平均で0.3%弱(製造業に限った場合:2.4%)ですが、東京、神奈川、大阪などでは特許出願を行っている中小企業の割合が増加傾向にあります。
 平成24年中小企業実体基本調査(中小企業庁)、中小企業白書2009(中小企業庁)によれば、特許権を所有している会社の売上高営業利益率は、特許権を所有していない会社よりも高くなっています(特許あり:3.5%、特許なし:1.8%)。従業員一人あたりの営業利益も、特許権を所有している会社の営業利益が、特許権を所有していない会社よりも高くなっています(特許権を所有している会社:0.96百万円、特許権を所有していない会社:0.29百万円)。
 特許権は保有しているだけで実際には使われていないことの方が多いなどと言われることがありますが、平成24年中小企業実体基本調査(中小企業庁)、平成24年企業活動基本調査(経済産業省)によれば、自社で保有している特許権を実際に使用している割合は大企業で35.4%に過ぎないところ、中小企業では保有特許の63.4%を使用していることになっています。
 大企業よりも中小企業の方が、保有している特許を実際に使用している割合が高いわけですが、平成24年企業活動基本調査(経済産業省)によれば、大企業における売上高営業利益率は全産業で2.6%、製造業で3.2%ですので、上述した特許権を所有している中小企業の売上高営業利益率(3.5%)は、大企業における売上高営業利益率より高いことになっています。
 このように、特許出願・特許取得などの活動は、企業の事業、特に、中小企業の事業において大きな意味を持っています。
 次回からは、企業の事業、特に、中小企業の事業の中で、特許出願・特許取得などの活動をどのように進めていくことが事業の拡大・発展に貢献し得るのか、より好ましい特許出願・特許取得などの活動、これらと会社の事業との結びつきなどについて解説を複数
回に分けて行います。

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